・はじめに
暦の上の春が過ぎ、気温も春の近づきを感じる陽気となった2016年2月13日。東京・秋葉原からほど近い岩本町の会場で、通常例会が開催されました。
この日の会場は、当クラブが通常、例会を開催している半蔵門・麹町地区の会場と異なる会場です。会場のレイアウトも通常の開催地での形式を変え、新鮮な気分の中で迎えた例会となりました。また、この日は総勢7名のゲストにもご参加いただきました。
・ウォーミングアップ
今朝のトーストマスターM.T.さんの司会進行で始まった例会。
まずS.N.さんによる「今朝の言葉」のご紹介からスタート。春の近づきを感じるこの日の陽気にマッチした「芽生え(sprout)」という言葉をご紹介いただきました。
計時係・集計係などのヘルパーによる役割紹介が行われた後は、Y.K.さんによる「Good & New」。原則24時間以内に各参加者の身の回りで起こった「良かった出来事」「新しい発見」を即興でスピーチいただきます。ゲストの方にも加わっていただき、多様なエピソードが披露され、会場の雰囲気があたたまりました。
続く「今週のニュース」はG.S.さんがご担当。「東京ディズニーランド 料金値上げ」など、直近に起こった経済・社会ニュースを、フリップを用いて軽妙にご紹介いただきました。
・準備スピーチ
この日は3つの日本語スピーチと2つの英語スピーチの計5つが披露されました。いずれも、スピーカ自身の実体験に基づき、それぞれに独創的なメッセージがこめられたスピーチでした。
日本語スピーチ
・かすがい(K.O.さん)
宝塚のファンであるという奥様のご趣味のお話をもとにしたスピーチ。ほほえましく、聴衆の笑いが絶えないスピーチでした。
・社会人1年生の悩み(Y.H.さん)
昨年、新入社員として入社して以後、現在に至るまでのHさんご自身の心境・行動の変化をもとにしたスピーチ。Hさんの気持ち・想いが内から外に解放され、環境が好転していく様子が活き活きと表現されたスピーチでした。
・家族の肖像(N.S.さん)
お母様が急に重いご病気に罹られた際のSさんのご経験に基づくスピーチ。
「人には、無限の可能性がある。人生には何度でも奇跡が起こる。奇跡を起こすのは、あなた。」闘病から奇跡的に回復されたお母様と過ごされた末にSさんが得られたこの気付きは、多くの聴衆に、印象深く響いたものと思います。
英語スピーチ
・Teacher is the best learner (N.M.さん)
MさんがRecitation contest(暗唱コンテスト)に挑戦したご経験に関するスピーチ。「教えることは、学ぶこと。」「もし何かを学ぶなら、自らが教える立場(教師)になろう。」という学びのアイディアを、キーメッセージとしてご披露いただきました。
・The Storm (M.G.さん)
前回(第142回例会)の準備スピーチでご披露いただいたSailing Tripのサブストーリーとして、「自然は時に、想定外の大事をもたらす」旨のスピーチをご披露いただきました。自然は「美しい姿」だけでなく、「暗く、怖い姿」も兼ね備えている。天候の急変のまっただ中、ボートでの緊迫した様子が臨場感あふれる表現で語られ、聴衆は「暗く、怖い姿」の自然の存在を、改めて認識したと思います。
・Table Topics
休憩をはさんで続く例会後半はTable Topicsからスタート。Table Topics Master(進行役)はS.W.さんが担当。
普段と違う例会会場での開催にかけ、「はじめての場所」をキートピックに、4つの質問が出されました。それぞれの質問は、事前に誰が当てられるかは明かされません。しかし、それぞれ指名された参加者は驚きつつも、当意即妙な即興スピーチをご披露いただきました。
質問1・「はじめての場所」というテーマでショートスピーチ
質問2・「はじめての場所」を訪問する際、事前に綿密に調べるか、行き当たりばったりか。
質問3・あなたにとっての忘れられない「はじめての場所」
質問4・あなたの街を「はじめて」訪れる方に、あなたの街の魅力を伝えるスピーチ
それぞれ、各スピーカの個性が垣間見られた質問でした。当てられたそれぞれのスピーカも、わかりやすい構成と具体的内容のスピーチを即興でご披露いただき、即応力・柔軟性の高さが感じられました。
・論評の部
まず、準備スピーチへの論評が行われました。CCマニュアルの目的の達成度の評価を踏まえた上で、スピーチの良い点・改善点が示されるスタンダードな形式で行われました。
いずれの論評も、スピーチ・スピーカへの敬意が十分に払われ、真摯な準備スピーチ論評でした。スピーカのみならず、他のメンバやゲストの方にも新たな気付きや学びが得られたものと思います。
文法係、えーとカウンタからの報告に続き、Y.Y.さんによる総合論評が行われました。
Yさんからは、はじめにこの日使われた会場の特性を踏まえたアドバイスとして、
・音や声の響きを活かす
・会場後方から壇上までの距離感を鑑みて、見栄えを工夫・配慮する
をご指摘いただきました。
次に、改善点として、
・「今朝の言葉」の利用機会を増やす(使用頻度が高まる工夫として、使用例を示す。)
・参加者が時間をしっかり守って参加する
ことをご指摘いただきました。
いずれも、より質の高い例会運営につながる改善点であり、例会全体を丁寧に俯瞰いただいた上での的確な指摘でした。
・まとめ
今朝のトーストマスター・Tさんには、準備段階でのプログラム調整を適時的に対応いただいた他、例会当日はタイトな時間配分にも関わらず、落ち着いて例会を進めていただくなど、安定感のある例会運営を行っていただきました。すべての参加者が安心してスピーチの聴講に集中できたものと思います。
新入会員から経験豊富な会員まで、多様な個性が協力し合い、パブリックスピーチスキル・リーダーシップスキルを磨き合う。この日の例会も、こうしたスキルの練磨に適した良い環境となり、参加者それぞれが何らかの学びを得ることができたのではないかと思います。
以上
文責・S.W. 作成・2016.2.15